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記事詳細:Detailed Article

Duoclieudongy Research Journal (2012~)安全/Safety

資料名 / Title

JRJ20181202 研究速報
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実車走行環境下における自動運転時のドライバ状態(覚醒度)検知に関する研究
Changes in Drivers' Levels of Wakefulness During Automatic Driving in an Actual Driving Environment

佐藤 健治,吉田 傑,石田 肇,平田 豊,惠本 序珠亜,大前 学,安部 原也,内田 信行
Kenji SATO,Suguru YOSHIDA,Hajime ISHIDA,Yutaka HIRATA,Joshua EMOTO,Manabu OMAE,Genya ABE,Nobuyuki UCHIDA

 近年,自動運転の実用化に向けた技術開発が盛んに行われており,産官学が一体となった実証実験等が進められている.自動運転時には,ドライバは手動運転時のような運転操作を行わないケースがあることから,そのことに起因したドライバの覚醒度への影響が懸念される.例えば,ドライビングシミュレータ(以下,「DS」という)実験において,自動運転中にドライバの覚醒度が低下する可能性が示されている.
 自動運転中の覚醒度の低下が問題となる場面の一つに,自動運転から手動運転への引継ぎ要求(Take-Over Request:以下,「TOR」という)が生じる場面が挙げられる.完全自動化が実用化されない限り,TORに対してドライバは適切に手動運転に引き継ぐことを求められる.ここで,覚醒度が著しく低下しているようなことがあれば,認知,判断,操作の誤りが生じる可能性がある.したがって,TOR時におけるドライバの安全を確保するためには,システムが,自動運転中のドライバの覚醒度を把握しておくことが重要であると考えられる.
 ドライバの覚醒度の低下は,手動運転においても問題視されており,これまで運転時の覚醒度を測定するための指標が検討されてきた.特に,PERCLOS(Percent of Eyelid Closure)や瞬目などの瞼関連情報は,非拘束で計測することが可能であることから注目されている.PERCLOSおよび瞬目はその時々のリアルタイムの覚醒度を反映した指標である.
 PERCLOSとは単位時間あたりの閉眼時間割合のことで,覚醒度の低下に伴って値の増加を示す.NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)はPERCLOSと他の覚醒度指標との関連を調査し,覚醒度の低下とPERCLOSとの間に高い相関が見られたことを報告している.一方,瞬目について田中は,ある程度高い覚醒水準を維持している場合には,覚醒水準の低下は瞬目率を増加させ,覚醒水準が明らかに低下している状況下において瞬目率は低くなると報告している.つまり,明瞭な覚醒状態から眠気を感じ始めた場合には,瞬目数は増加するが,一旦,覚醒度が低下した後に更に眠気が強くなった場合には,瞬目数は減少する.
 他にも覚醒度を反映する指標として,眼球関連情報の一つである前庭動眼反射(Vestibulo Ocular Reflex:以下,「VOR」という)が挙げられる.VORとは,頭部運動時にそれとほぼ同じ速さで眼球を反転させ,網膜上の外界像のブレを抑制する不随意的眼球運動である.これは,瞬目やPERCLOSとは異なり,眠気を自覚する前に,眠気予兆として捉えることが出来る指標である.西山らはDSでの手動運転実験において,このVORを用いた指標により,眠気の予兆を検知できたと報告している.
 これらの先行研究から,瞼や眼球に関連した指標を用いることで,ドライバの覚醒度を把握することが可能であると考えられる.今後,当該技術を簡便に自動運転車両に搭載することができ,極めて高い計測精度を担保することができれば,システムが自動運転中のドライバの覚醒度を把握し,ドライバの状態を考慮した制御を行うことができると期待される.
 しかし,これらの覚醒度指標について,自動運転時を対象にした研究は未だ散見される程度である.例えば,DSでの実験において,手動運転時に比べ自動運転時にPERCLOSが有意に高くなることは報告されているが,時間経過に伴う覚醒度の推移や自動運転時の覚醒度を評価し得る指標の検討は十分には行われていない.さらに,実車での自動運転中の覚醒度を対象に検討された研究はほぼなく,実車環境下においても覚醒度を測定できるかについて検討する必要がある.また,VORについても,実車走行時の眠気予兆の検討はされておらず,その有用性について検討する必要がある.
 そこで本研究では,実車での自動運転走行時の覚醒度の推移を調査することを目的とした.また,覚醒度の測定にあたって,従来,手動運転時を対象に覚醒度指標として検討されてきたPERCLOSおよび瞬目数が当該環境下での覚醒度を反映するか否かについて調査するとともに,VORによる眠気予兆検知が可能であるかについても調査する.

We investigated changes in the level of wakefulness of drivers, while driving in self-driving vehicles (Society of Automotive Engineers Level 3), measured biosignals, regarded as reflecting wakefulness, and considered response measures. The subjects were 15 men who rode a test course in a self-driving vehicle for approximately 40 minutes. Their levels of wakefulness declined, and in around 60% of the subjects, the level of wakefulness, assessed by facial expression, was correlated with PERCLOS score and the number of eyelid closures. Driver drowsiness was also detectible by the vestibulo-ocular reflex before drivers became aware of it themselves. These results indicated that acquiring data on drivers' eyeballs and eyelids may enable the assessment of decreased wakefulness and the onset of drowsiness.

種別 / Article Type

Duoclieudongy Research Journal (2012~)

資料名 / Title

JRJ20181202 研究速報

発行年月 / Date of Issue

2018/12

分野 / Field

安全/Safety
ID:8036
 

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